牛糞のアート「イミゴンゴ」に魅せられて
――現在は、ルワンダの伝統アート「イミゴンゴ」の調査や紹介をされているとのことですが、そもそもイミゴンゴとは?
イミゴンゴは200年以上続く王家発祥の牛糞を使ったアートで、ルワンダでは非常にポピュラーです。子牛の糞と灰を混ぜ、それを木の板に指でのせながら幾何学模様を描きます。
このイミゴンゴの柄をルワンダの空港で初めて見たとき、吸い込まれるように惹かれたんです。でも、惹かれ過ぎて逆に怖くなってしまって、その後1年半ほどは作品をまともに見られませんでした。推し活と同じで、「尊過ぎて近づけない!」みたいな(笑)。
それでも頭から離れず、夢にまで出てくる始末だったので、「さすがにちゃんと向き合おう」とイミゴンゴについて調べはじめたのですが、書き言葉で残された資料がなかなか見つからず、情報が少なくて……。それならとイミゴンゴの発祥地と呼ばれる場所で、昔のことを知っていそうなご高齢の方を訪ねて調べていくという活動に変わっていきました。
――どんなことを調べたのでしょうか?
たとえば、イミゴンゴのたくさんある模様にはどんな意味合いがあるのか。実際に「この模様は何と呼ばれているの? どんな意味?」と聞いて回りました。でも、そこでわかったのは、人によって模様の名前も意味の解釈も違うということ。発祥地ですら一つの模様に複数の名前と意味がある。そんな状態で200年も続いてきたアートだったんです。
――おもしろいですね! ちなみに、どうして牛糞が画材に?
諸説ありますが、一つはルワンダでは牛は豊かさの象徴で、牛から取れるものはすべて恵みだからという説。あと、昔から牛糞が壁の修繕などに使われてきたことも関係あるかもしれません。













