高市総理は予算の年度内成立をあきらめていない

また、衆院選で獲得した「数の力」をバックに、「予算を早期に成立させ、政策課題に取り組みたいのが本音」(前出・自民党関係者)との声も聞こえてくる。ただし、予算成立までには、様々な課題があるのも事実だ。

「高市総理が異例の1月解散に踏み切り、選挙を行なったことにより、日程的に充分な審議時間が確保できず、来年度予算の年度内成立は絶望的な状況になりました。暫定予算を組んで、4月初旬の予算成立を目指すしかないとみられていました」(前出・全国紙政治部記者)

ところが、高市総理は予算の年度内成立をあきらめていない。2月24日の衆院本会議でも「26年度予算の年度内の成立を目指したい」と改めて意欲を示した。

「総理の意向を受け、自民党は様々なかたちで、審議時間の短縮方法を検討しています。土日や夜間も審議する案も出ている。しかし、熟議が担保されないとして、野党は反発。自民党が衆院選で大勝したとはいえ、参院は未だ少数与党ですから、配慮も必要なのです」(前出・自民党関係者)

高市総理SNSより
高市総理SNSより

これには自民党の青木一彦参院議運委員長も「充実審議が本旨だ。参院軽視はあってはならない」と拙速な姿勢をいさめる発言をしていた。

「予算案が3月13日までに衆院を可決し、参院に送られれば、“30日ルール”により、4月10日には自然成立する。はみ出た10日間だけ暫定予算を組めばよくなるので、これが一番現実的だ。スピード感を持ちながらも熟議を担保するために、総理が出席するテレビ中継入りの審議時間を増やす案も出ている。総理が出席し、自ら答弁することは、他の閣僚だけの審議とは重みが違うからです。これは総理の覚悟が問われている部分もある」(自民党幹部)

とはいえ、こんな見方もある。

「総理がやると言ったら、たとえそれが暴走気味でも、やるんでしょう。年度内成立でどうにか帳尻を合わせる。高市さんにいまは逆らえる人はいない」(自民党閣僚経験者)

衆院選期間中には「予算委員会で自分ばかり当てられる」とボヤいていた高市総理。早期の予算成立のために、覚悟を示すことはできるだろうか――。

自由民主党(PhotoAC)
自由民主党(PhotoAC)
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取材・文/河野嘉誠 集英社オンライン編集部ニュース班