家族が夜の食事でファミリーレストランを選ぶ時代に
日本フードサービス協会の外食産業市場動向調査をもとに、2025年の洋風ファミリーレストランの客単価を調査すると、2019年比でおよそ2割上昇している。2019年の平均単価が850円だったとすると、2025年は1010円を超えるのだ。
ファミレス業界全体で1000円の壁を超えている可能性が高い。
市場調査を行なうマーケティング・リサーチ・サービスの「家族での夜の外食についてのアンケート」によると、小学生以下の子供がいる家族が夜に外食をする頻度は月に1回がボリュームゾーンであり、利用している飲食店はファミリーレストランが70%(複数回答)と高い。回転ずしの68%を上回っている。
かつて、ハレの日の夜の外食は回転ずしや焼肉店が一般的だった。今やファミリーレストランが選ばれる時代になっているのだ。昭和を彷彿とさせる現象である。
小説家の村上春樹は小説「アフターダーク」において、物語の重要な舞台にファミリーレストランを選んだ。そこでのファミレスは、過度な効率化と平準化を進めたディストピア的な世界として描かれている。主人公の若い女性が一人で深夜に訪れることが象徴するように、様々な人が訪れる場所でもあった。この小説が刊行されたのは2004年。デフレの真っ只中である。
しかし今、ファミレスの姿は大きく異なる。平成のデフレ下で形成されたディストピア的な世界から昭和へと回帰し、家族の笑顔が溢れるハレの日を過ごす舞台となった。
取材・文/不破聡 写真/shutterstock












