毒のある食べ物を楽しむ

ある講演会において、身近な毒の話などについてお話しした後の質問において「先生が一番好きな毒は何ですか」という質問を受けた。そこで「私の最も好きな毒はお酒です」と答えて拍手を受けた。

お酒に含まれるアルコールは血中濃度がある値を超えるとまさに命に関わることからお酒が毒であることは間違いない。

なぜ、それでもヒトはアルコールを飲むのか。体質的に飲めない方には申し訳ないが美味しいからである。

なぜ、ヒトはアルコールを飲んで大丈夫なのか。それは、ヒトは適度の量のアルコールであればうまく代謝して無毒の化合物に変化させることができるからである。

一度に大量のアルコールが体内に入ってしまうと命に関わるほどの毒性を発揮する。しかし、私たちは普通に飲酒する限り、命に関わるほどのアルコールが体内に入ることはまずない。

眠り込んだ相手にアルコール濃度の高い酒を点滴で投与して殺害をはかるというような事件はあったが、通常、命に関わるほどの量のアルコールを口から摂取させることは不可能である。

お酒の場ではついつい飲みすぎてしまうことも(写真/shutterstock)
お酒の場ではついつい飲みすぎてしまうことも(写真/shutterstock)
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つまり、死に至る様な量のアルコールを通常の摂取法である口から入れようにも、ある量を越せば、潰れてしまって飲む所作も出来なくなるからである。

しかし、危険量の大量のアルコールを口から体内に入れてしまう飲み方がある。それが潰れる前に大量のアルコールを口から摂取してしまう「一気飲み」という大変に危険な行為である。