「親父は強かった!の巻」(ジャンプ・コミックス第72巻収録)
今回は、両さんの実家がテレビドラマの撮影に使われることになるお話をお届けする。
両さんの実家は東京・浅草の佃煮屋だ。ドラマの脚本家が両さんの父・銀次の知り合いだったこともあり、撮影中のホテルの宿泊費などを全額経費として落としててくれるという。それを知った両さんが黙っているわけもなく……。
さて、本作の場合は家と店を撮影の間ずっと借り上げる形での撮影協力をしているわけだが、はたして本当にお金をジャンジャン支払ってくれるものだろうか?
現実的には、まずありえない。テレビの撮影に建物を使用させる、資料や物品を貸す、映像素材を提供する……といった形での制作協力に対する対価は、現実には「無償」もしくは「数千円~1、2万円」という、雀の涙のような額のようだ。
テレビがメディアとして圧倒的に強かった時代には、確かにテレビに協力することで、メリットや心理的な満足を得ることができたのかもしれない。だが近年では、テレビ制作者のやった者勝ち的な困った一面がクローズアップされるように。また、テレビに出ることに喜びや晴れがましさを感じる人も減っているようだ。
『こち亀』でも、2000年代以降はテレビ番組ネタのエピソードが描かれる度合いは減少していった印象がある。これは単にテレビ番組のおもしろさが減ったというよりは、時代の移り変わりに対応しかねているテレビの現状ゆえかもしれない。
さて、『こち亀』は2009年夏にテレビドラマ化されたことがあるのだが、これをメタ的なネタとして扱ったエピソードが存在する。「主役はワシだ!の巻」(ジャンプ・コミックス第169巻収録)がそれだ。
『こち亀』のテレビドラマ化が決定するが、出演するのは役者ではなく両さんたち自身!ただし主役を美男美女にしたいというドラマサイドの意向で、両さん役=中川、部長役=麗子、中川役=両さん、麗子役=部長、という斜め上すぎる配役に。
これは『こち亀』内のネタだから大笑いして読んでいられるが、もしこれが実現したら、「原作の大前提がテレビ的に不適切だというならドラマ化するなよ!」と感じることだろう。
それはともかく、このお話もテレビドラマ制作を扱った傑作のひとつだ。読んでおいて損はないぞ。
それでは次のページから、実家でのテレビドラマ撮影に端を発した両さんの大暴走っぷりをお楽しみください!!



















