毒に対する耐性
よく、「毒のあるものでも体に少しずつ長く入れ続けるとその毒に対する耐性ができますか」という質問を受ける。たぶん、ものによってはそのような毒もあるかと思う。
もちろん個人差はあると思うが、アルコールに対する耐性ももしかしたら、何らかの影響で上がり、酒に強くなるようなことが起きることはありうるかもしれない。しかし、このことは単に飲み方の上達(落ち着いてゆっくり飲むようになるなど)によるものかもしれない。
砒素化合物のような体内に溜まっていく性質の金属毒については、耐性が現れるとは思えない。これに対して、毒と言えるかどうかではあるが、たとえば、辛いものについては耐性ができてくるようで、だんだんと激辛でないと満足しなくなるような方もいるようだ。
さらに、覚醒剤についてはだんだんと量を増やさないと予期していた効果が出なくなるということが知られているので、明らかに耐性が上昇するのだろう。種々の睡眠導入剤などにもこのようなことは言われている。
この世の中には、食養において「身土不二」という言葉があって、その土地、その季節の食べ物が体に合うという考えらしい。暖かい地方産のものは体を冷やす性質があるのだそうで、たとえば、暖かい地方で産する砂糖や、柿、苺などにはそのような作用があるという。
南米のボリビアは高地にあることから高山病にかかることがあるという。この症状にとてもよく奏効するのがボリビアに産するコカの葉をお茶にしたコカ茶であった。これもまさに身土不二の好例ではなかろうか。
コカ茶にはもちろん現在麻薬に指定されているコカインを含むが、コカからコカインが純粋に分離される前の、当地のコカ茶のような使い方では問題になることはなかったようである。
結局、ヒトは少し毒のあるようなものが好きなのではないかと思われる事象にもよく遭遇する。そのようなものの代表としては各種のお茶についても言える。紅茶や緑茶、コーヒー、ココアにはいずれも弱いながらも確かな毒性のあるカフェイン類のアルカロイドを含むからである。













