「もし神様がいたら、絶対にぶん殴ってますもん(笑)」
小学6年生のときに「明細胞性歯原性悪性腫瘍」と診断されたもりひさん。歯を作る細胞から発生する希少がんで、世界的にも症例はほとんどない。すなわち、治療法も確立されていない。
外科的手術は『もう切るところがない』と言われるほどにやり尽くし、重粒子線治療の後遺症のため歯茎や顎骨は壊死。一か八かで治験薬を飲んでも効果はなく、昨夏から左頬に穴が空き始め、日に日に拡大している。
恒常的な激痛、体調不良、予測不能な病状の変化、見通せない未来への不安……『死のうかな』と思ったことは何度もあるという。
そんな「生き地獄」の最中、昨年6月にもりひさんはSNSで投稿を始める。主にYouTubeではリアルタイムに進行する病状を、TikTokでは自作の音楽をポジティブに発信し続けている。
「神様は乗り越えられない試練は与えない? うそですよね。もし神様がいたら、絶対にぶん殴ってますもん(笑)。とはいえね、もう起きてしまったことは変えられないんで」
ノリよく、陽気に受け答えをしてくれているが、味覚と嗅覚はほぼ失い、口も大きくは開けられない。不足する栄養を補うのは点滴。毎日数回、穴を生理食塩水で洗う際には激痛が走る。
整骨院で鍼灸師として働いていたが、体調悪化によって休職を決めた。それでも動画編集を含め、SNSでの配信をやめることはない。なぜ、そこまで頑張れるのか?
「うーん。頑張ってる自分が好きなのと、やっぱり彼女のために頑張っているところ、カッコいいところを見せたいじゃないですか。だから、自分が無理してでも、頑張れるなら頑張れるときに。
それに自分が思ってることを世の中に残せているのって本当にありがたいことなんですよ。やれるときに、全部残したいですね。たまに配信が途絶えたら『入院してた』なんてこともあるんですけど(笑)。やっぱり、僕ひとりじゃ何も輝けないんで。みなさんが観てくださるからこそなんで、本当に」














