本質観取が描く未来
哲学の醍醐味は、実際に自分の頭で本質観取※をやってみることにこそあります。
※本質観取=物事の本質を見極めるための思考と対話の方法。さまざまな概念や事柄の本質を、参加者は対話を通して言葉に編み上げ合うことで、相互承認の感度を育み、共通了解を見出すコツをつかんでいくことができる。
さまざまな物事の本質を、根本から問い直すこと。互いの差異を〝相互承認〞しつつ、みんなが納得しうる〝共通了解〞を目指して対話すること。哲学をそうした営みとして捉えるなら、幼児から大人まで、誰だって哲学することができます。
現在、全国に少しずつ広がっている本質観取ですが、その輪がさらに広がっていけば、きっとこんな未来が待っているに違いない。そんなことを、以下では論じたいと思います。
第一に、これからの民主主義社会の成熟に、じわりじわりと、しかし確実に寄与するに違いないということ。
第二に、同じことの延長ではありますが、これからの共生社会の実現に、もっと言えば世界平和の実現にさえ、きっとつながるだろうということ。















