「駄菓子屋カルト王(キング)の巻」(ジャンプ・コミックス第79巻収録)
今回は、両さんにとって日常の一部だった駄菓子が、いつの間にかポップカルチャー扱いされているのに怒った両さんが立ち上がるお話をお届けする。
駄菓子屋評論家なるものがTV番組でもてはやされ、駄菓子屋の特徴や扱っている商品を勝手にランキングしていく。
ちょっとでも流行りそうなものに、訳知り顔でいっちょかみしてくる自称事情通や専門家、さもありがたそうな価値観をひねり出すリブランディング……。
今なら「これだからオールドメディアは……」と言われそうだが、本作が描かれたのは1992年。テレビがメディアの王様だった時代だ。
またこの頃は、フジテレビの深夜番組がマニアックなサブカル番組を連発していていた。現代の流行を、さまざまな史実をもじって歴史の教育番組風に紹介していく構成の『カノッサの屈辱』や、アイドルやファミレスなど、特定のジャンルを徹底的に深掘りしてその道の有識者同士が競い合うクイズ番組『カルトQ』。
マイナーだが(ゆえに凝りまくっており)クオリティが高く、無駄に知識の広いオタクたちを有識者としてポジティブに扱っていたのだ。
それらは、言っていることが支離滅裂、間違いだらけ、とにかく浅いといった、近年のネットや動画配信サービスにあふれる「にわか」解説者勢とは比べものにならないくらいディープだった。
なお、本作のタイトルや作中で描かれているクイズ番組名は、『カルトQ』をもじったものと思われる。
さて、本作の終盤で描かれているクイズについて少しだけムダ知識を記しておこう。
まず、人形特撮作品『サンダーバード』に出てくる、イギリス上流階級に属する貴婦人にしてサンダーバードチームの協力者であるレディ・ペネロープの専属運転手にして元泥棒のアロイシャス・パーカーによく似ている日本のグループサウンズグループ「ワイルドワンズ」のメンバー名は、鳥塚しげき。太い眉と垂れ気味の大きな目、口元などがよく似ている。
また、出題がまだ一文字しか発声されていないのに両さんが正解した答え「キングワルダーⅡ世」とは、タカラのアクションフィギュア玩具「変身サイボーグ」の一種。透明の樹脂製ボディの中にメカの骨格が透けて見える人形に、『仮面ライダー』などの変身ヒーロー、『ウルトラマン』などの巨大ヒーローなどの「服」を着せて変身させ、遊ぶ。キングワルダーはメカの代わりにグロテスクな内蔵が透けて見える敵役で、Ⅱ世はその息子という設定。
……「少しだけ」と言いつつ解説し始めると止まらなくなるのが、オタクのサガだ。ご容赦願いたい。
それでは次のページから、駄菓子キング・両さんによる細かすぎる駄菓子知識の連続攻撃をお楽しみください!!



















