「今日は私のばーすでーの巻」(ジャンプ・コミックス第141巻収録)

今回は、両さんが誕生日に「子どもの頃の思い出の風景」をプレゼントされるお話をお届けする。

我々が昔見た風景や、すっかり姿を変えた大切な場所に思いを馳せるには、自分の記憶のほかに写真や映像に頼るくらいしか方法がない。しかし本作では、中川がそのスーパー財力を用いて、両さんが子どもの頃の風景を完全再現するのだ。

本作での両さんのように、「タイムスリップしたか、それとも魔法で自分が子どもに戻ったか?」と錯覚するような体験を、誰でも一度くらいはしてみたいのではないか。

中川はのちの大原部長の誕生日にも、本作と似たようなプレゼントを用意することになる。

「嗚呼!我が青春電車の巻」(ジャンプ・コミックス第158巻収録)では、若き日の部長が車中で奥さんにプロポーズをした、大原夫妻にとっては忘れがたい電車、東急デハ200形電車を完全復元。さらには土地を買い占めて、部長宅の前まで線路を敷き、車輌を届けたのだ。大富豪でないとできっこない贈り物ではあるが、何よりも大切な思い出を甦らせてあげるのは、「さすがは中川!」といったところだ。

「嗚呼!我が青春電車の巻」(ジャンプ・コミックス第158巻収録)より。シートの傷で甦る、思い出の日。中川が復元したのは、部長がプロポーズしたときの車輌だった……!
「嗚呼!我が青春電車の巻」(ジャンプ・コミックス第158巻収録)より。シートの傷で甦る、思い出の日。中川が復元したのは、部長がプロポーズしたときの車輌だった……!

ちなみに『こち亀』作者の秋本先生は、現在「グランドジャンプ」で、令和の女子高生が昭和にタイムスリップする『TimeTuberゆかり』という作品を連載中だ。

超オタク気質で甲斐性なしの父親の求めに応じて、過去と行き来できるアイテムを使って昭和に赴く。そして昔の玩具やゲームをはじめとするさまざまなアイテムを手に入れてくる……というのがお話の基本。

子どもの頃に欲しかった、あるいは大好きだったものを、大人になってからお金に糸目をつけずに買い漁り探し回るというのはよく聞く話だ。だが本当に手に入れたいと思っているのは、忘れがたいあの頃の「思い出」なのかもしれない。

『TimeTuberゆかり』に興味を持たれた方は、コミックスも2冊発売されているので、ぜひご一読を。

『TimeTuberゆかり』①②巻
『TimeTuberゆかり』①②巻

それでは次のページから、両さんがもらった粋なプレゼントをめぐるお話をお楽しみください!!