労働者には渋く、株主には大盤振る舞い?
東証プライム市場に上場する企業の2025年4~9月の純利益は前年同期間比で7%増加し、過去最高を更新した。通信や建設、金融などを中心に力強く伸びている。
しかし、大企業の労働分配率は40%にも達していない。「労働分配率」は企業の利益を人件費として従業員にどれだけ還元しているかを示す経営指標だが、中堅企業は60%、中小企業は80%程度だ。
一方で、大企業の株主への大盤振る舞いは止まらない。2025年は10月時点で自社株買い実施額が14.9兆円で過去最高となった。自社株買いは上場企業の株主還元策の一つで、市場に出回る株式を引き締める効果があるため、結果的に株価が上昇しやすくなる。
つまり、大企業には労働者への還元余力がまだまだ残されていると見ることができる。連合が強気な目標を掲げている背景に、インフレと円安で企業が利益を出しやすくなっていることに加え、労働分配率が少なく、自社株買いで手厚い株主還元をしていることがあるだろう。大企業の労働分配率を引き上げられるかどうかは、今後の労使交渉の焦点の一つだ。
実質賃金が上がらないのも問題だ。2025年11月は前年同月比で2.8%減。11か月連続のマイナスだった。物価上昇のペースが早すぎるのだ。この月のコメの価格上昇率は37.1%だった。
そして、一昨年から続く令和のコメ騒動もまだまだ続きそうだ。農林水産省によると、2026年1月12日から18日に販売されたコメ5㎏あたりの平均価格は前の週に比べて16円高い4283円だった。2025年1月は3800円前後で販売されていた。スーパーに並ぶコメは、見た目の価格が安くなるため、一袋5㎏から4㎏が主流になりつつある。
さらに深刻なのが、こうした物価高でも賃金が上がらない中小企業だ。
すでに労働分配率は80%に達しており、原材料高で利益が圧迫されている。経団連の調査では、2025年の従業員100人未満の事業者の賃上げ率は3.78%、100人以上300人未満は4.13%だった。













