「自分なんて必要ない」と自殺未遂

消化器内科でストレスが原因の過敏性腸症候群ではないかと言われ、精神科にも通ったが、体調は良くならない。

「そのころ母が亡くなったんですね。さらにストレスがかかって気持ちがひどく落ち込んで……。この世界に自分なんて必要ないと思って自殺未遂をしました。オーバードーズですね。手元にあった精神科の薬を全部。

僕が朝起きてこないので、家内が声かけしたら、ふらふらで呂律が回らない状態だった。で、救急車を呼んで、精神科に措置入院。鍵のかかる部屋でトイレもオープンな状態で、監視カメラが付いているような24時間監視状態の病室に1、2か月いたのかな。よく覚えてないけど」

写真はイメージです(写真/Shutterstock)
写真はイメージです(写真/Shutterstock)

一般病棟に移り半年後に退院したが、再びオーバードーズをしてしまう。2度目のときは入院せず胃洗浄をして自宅に戻った。

働けない日々が長く続いたが、生活費はどうしていたのだろうか。

「貯金を切り崩しての生活です。家内の両親と一緒に住んでいる、いわゆるマスオさん状態だったので、家賃の心配がなくて、光熱費とかも持ってくださって。ほんとにね、そういう状態じゃなかったら、どうなっていたのかな……」

精神科の治療を続けて少し落ち着きを取り戻すと、「働かなきゃ」と思い、高齢者施設に就職した。だが、そこでも仕事の手順がなかなか覚えられない。利用者の顔と名前を一致させるのも一苦労だった。