〈前編〉

「死んだら死んだでいいやと」

1回目のひきこもりを脱した石丸あゆらさん(46)は、調理師の資格を生かして4年ほどパートで働いた。だが、手取りは10万円弱。親の扶養に入ったまま自立していないことが後ろめたくて、フルタイムで学校給食の調理の仕事に就いた。31歳のときだ。

見よう見まねで必死に仕事をこなしたが、わからないことを周りの人に聞くのが苦手で、なかなか仕事に慣れない。2年目の夏休みに入ったら、張り詰めていた糸がプツッと切れてしまった。

仕事始めの日。石丸さんは2度目のオーバードーズをしてしまう――。