〈後編〉

糸が切れたように学校に行けなくなる

森野信太郎さん(45=仮名)には長年、誰にも言えない“秘密”があった。それに初めて気付いたのは、思春期を迎える少し前だ。

幼いころの森野さんは、「親の言うことをよく聞く、おとなしいいい子だった」という。ボール遊びや戦いごっこなど集団遊びが苦手で、週末はかわいがってくれる祖父母の家でよく過ごしていた。

「小学校高学年から、男子の輪に入っていけないという鬱屈した気持ちを持つようになって。そのころから、自分が憧れる対象は男子ばかりで、あ、そういう趣向があるんだと気づいたんです。スラッとしたやせ型で、ちょっと斜に構えた男の子が好きでしたね。でも、それは絶対に人には言えなかったので、自分の中の闇の部分としてずっと抱えていました」