〈前編〉 

家事をすべてやっていた母が認知症に

西沢敦司さん(62=仮名)は、30歳のころ郵便局の仕事を退職。その後は通院以外、ほぼ家にひきこもる生活を20数年続けていた。楽しみは、ときどき両親と外出することだった。

西沢さんが上野動物園でゴリラが見たいと言い、母と2人で出かけたときのこと。電車で上野駅に向かっていると、母が「どこで降りるかわからない」と言って急に泣き始めた。

写真はイメージです(写真/Shutterstock)
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西沢さんは「僕が一緒だから大丈夫だよ」となぐさめて、上野駅で下車。歩き出すと再び「ここがどこだかわからない」と言って泣きじゃくる。動物を見ていると、ようやく泣き止んだ。