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「自分は甘えすぎていたんです…」母の認知症、父の死…20数年ひきこもった62歳男性の「謝りきれない後悔」とは?
潔癖症に長く苦しんだ62歳の男性。「手を洗えば大丈夫」と自分に言い聞かせて郵便局で働いていたが、部署異動をきっかけに「仕事が完璧にできない」と怖くなる。30歳で退職して家にひきこもった。長い間、面倒をみてくれていた両親も相次いで病に倒れるなか、前を向けたキッカケとは。(前後編の後編)
ルポ〈ひきこもりからの脱出〉34
〈前編〉
家事をすべてやっていた母が認知症に
西沢敦司さん(62=仮名)は、30歳のころ郵便局の仕事を退職。その後は通院以外、ほぼ家にひきこもる生活を20数年続けていた。楽しみは、ときどき両親と外出することだった。
西沢さんが上野動物園でゴリラが見たいと言い、母と2人で出かけたときのこと。電車で上野駅に向かっていると、母が「どこで降りるかわからない」と言って急に泣き始めた。
写真はイメージです(写真/Shutterstock)
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西沢さんは「僕が一緒だから大丈夫だよ」となぐさめて、上野駅で下車。歩き出すと再び「ここがどこだかわからない」と言って泣きじゃくる。動物を見ていると、ようやく泣き止んだ。