「歌舞伎の花道の巻」(ジャンプ・コミックス第168巻収録)
今回は、歌舞伎をめぐって両さんと大原部長が大バトルを繰り広げるお話をお届けする。
両さんは、部長が中川たちと話していた歌舞伎の演目を、落語のそれと勘違いする。そこで部長は、「高級な歌舞伎と低級な落語を間違えるとは!」と、ここぞとばかりに両さんをコケにする。
もちろん黙っているはずもない両さんは、超神田寿司を営む擬宝珠(ぎぼし)家の長である夏春都(ゲパルト)と孫娘の檸檬(レモン)に頼み込み、歌舞伎の猛勉強をはじめる……。
歌舞伎は日本の舞台芸能のひとつで、17世紀初頭に前に誕生した。女性が京都で踊った「かぶき踊」がそのルーツで、世間の常識、良識にとらわれない言動をさす「かぶく(傾く)」が名詞化したものだと言われている。その名の通り、「歌」=音楽性、「舞」=舞踊性、「伎」=演劇性を示している。
やがて現代の演劇のような形式を整えていった。常に世の話題と流行を扱い、時には支配層への反骨心も込めた一大エンタテインメントとして、その人気と技術を発展させていった。
一方の落語は、もともとは「落ち噺(おちばなし)」や「落ち物」と呼ばれた口承の娯楽だ。滑稽なネタや怪談、風刺などの演目が喜ばれていた。やがて名人と呼ばれる落語師が登場し、盛んに寄席が開かれたことにより、芸能、伝統文化として成長していった。
江戸時代の庶民の生活や関心事を題材にした古典はもちろん、明治時代末期以降は新作落語も加わって、庶民の娯楽として親しまれ続けた。また、舞台芸能でありながらラジオやテレビ、ネットといったメディアとの親和性が高いのが特徴だ。
要するに、どちらももともとは大衆のためのエンタテインメントなのだ。部長のように、歌舞伎=他の娯楽よりも高尚! と崇め立てるのはナンセンスなこと。
歌舞伎への見識を広めた両さんが、部長にひと泡吹かせるだけに留まらずに、本作後も歌舞伎を楽しむようになったら最高だ。
なお、「警察寄席の巻」(ジャンプ・コミックス第172巻収録)というお話では、派出所の面々が落語を披露している。よろしければご一読のほどを!
それでは次のページから、両さんVS部長の歌舞伎バトルをお楽しみください!!



















