〈前編〉 

家にひきこもり、酒を飲んで大暴れ 

縁野朝美さん(64=仮名)が介護の仕事を辞めたのは54歳のときだ。当時、32歳の息子と2人で家にひきこもる生活は3年ほど続いた。

「気持ちが落ちてるときってさ、何でもマイナスに捉えてしまい、息子がひきこもったのも私のせいみたいに思ってしまって。なんか世界中が自分のことを責めているみたいな気がして、世の中の全てが怖くて。買い物もマスクして夜中にこそこそ行ってました。

ただ、息子を守らなきゃって思いが強かったから、何かしら料理を作って、洗濯して掃除をして。息子がいなかったら、まともに生きてられなかった気がします。