BS番組に「お笑い怪獣」が降臨
「まさかこんなお調子者だとは!」
爆笑問題・太田光は、明石家さんまをそう評して笑った。10月11日放送の『お笑いの日 2025』(TBS系)で、太田が漫才をする相手としてさんまにオファーしたところ、まさかの快諾。夢の漫才が実現したのだ。
そんな「お調子者」さんまは、この翌日に放送された『飯尾和樹のずん喫茶』(BSテレ東)では、下町の喫茶店に現れていた。
ゴールデン2時間スペシャルとはいえ、BS局。普通では考えられないキャスティングだ。しかもロケ。小岩や鶯谷にさんまがいる――その光景だけで強烈な違和感がある。
もちろん、喫茶店の店員もまさかの登場に驚いていた。
「なんか情がある方なのかな?」
店員の“名推理”に、さんまは大きく笑ったあと真面目な顔に戻ってこう答えた。
「逆に言うと、若手たちはいつも俺の番組で頑張ってくれるからね。俺の番組にだけ呼んで、俺が出ないわけには、ねえ」
『お笑いの日』で太田との漫才を引き受けた理由を問われたときも、「太田やからというだけ」と答えていた。
BSだろうが地方イベントだろうが、仕事の大小や先輩・後輩を問わず、自分に力を尽くしてくれた人の頼みなら、「お調子者」のようにフットワーク軽く駆けつける――それがさんま。長く愛される理由がよくわかる。
『ずん喫茶』は、基本的にBSらしいまったりとした番組。だが、さんまが来ればもちろん空気は変わる。喫茶店の女性店主が独身となれば、出されたカレーを前に「これ、食べたら怖い。もし『うまっ!』ってなったら通ってしまう。通ったら口説いてしまうからね。たぶん貯金通帳見せたら落ちると思う」と笑わせ、いつものように終始にぎやかだった。
けれど少し違った雰囲気を感じさせたのは、最初のロケ地が小岩だったからだろう。
小岩といえば、さんまと縁のある土地。元妻・大竹しのぶが小岩高校に通っていた。そして、さんま自身も19歳の頃、当時の彼女と“駆け落ち”して小岩に住んでいた。笑福亭松之助のもとで修行中のことだ。
番組中もその頃の話に花を咲かせた。