「懐かしくて思わず泣きそうになった」

「加温・加水・循環・消毒」を一切行わない“湯使い”にこだわった「源泉100%かけ流し」の温泉としては、あまりにも激安な宿泊料金が宿のウリだという南部屋。

母屋は大正時代に建てられた古民家を移築したもので、日頃忘れられがちな「昔ながら」「懐かしさ」「素朴さ」を大事にするため、テレビやエアコンなどは置いていない。自然を感じながらゆったりとしたひとときをおくることができる。

この民宿ではここ数年、飼っている2匹のワンコがSNS上で大人気を博している。ワンコ効果なのか、Xのフォロワーは10万人を超えるほどだ。

2匹の看板犬(「南部屋」Xより、以下同)
2匹の看板犬(「南部屋」Xより、以下同)

そんな南部屋に、素敵なお客さんが訪れたと報告があった。

〈今朝、湯治で長期滞在されていたお爺ちゃんがチェックアウトしたのですが、お帰りになった後に客室を見たら…部屋の電灯がカスタマイズされてた(笑)

寝床で全て完結させたかったんだろうな…実家の自分の部屋とかコタツのある部屋とかを思い出して、懐かしくて思わず泣きそうになった。。。〉

そうつづりながら投稿した写真には、照明器具のスイッチ紐に、さらに紐をくくりつけて延長させた様が収められている。

実家の部屋を思い出してしまうようなこの光景は大きな話題となり、反響が続出している。

寝ながら電気を消せるあの紐
寝ながら電気を消せるあの紐

〈あ〜!父親の部屋にありました、この紐。自分も見たら泣いちゃうかも〉

〈まじ込み上げる気持ち分かります。うちの爺ちゃんの部屋の電気も同じくカスタマイズされてましたよ〉

〈時々猫が飛びついて、誰もいないはずの部屋の明かりがついたり消えたり……ってなるやつや〉

〈凄いですよね…ただの紐1本なのにあふれ出る実家感、ノスタルジー 長期滞在されたお爺ちゃんにとってはもう紐が当たり前になってしまって取り去るのを忘れちゃったんでしょうね〉

民宿は、熟慮と議論を重ねた結果、この紐を少しくくってそのまま残すことにしたという。

その後の紐の姿
その後の紐の姿