「夢の巨大ボウリング!の巻」(ジャンプ・コミックス第87巻収録)

今回は、ボウリングの練習に励む両さんが、まさかの惨事を巻き起こすお話をお届けする。

廃業したボウリング場の巨大なオブジェやクレーン車を使って、悪ノリしてダイナミックすぎるボウリング遊びに興じる両さんだったが、やがて不測の事態が発生し……。

日本におけるボウリングの歴史をごく簡単に追ってみると……。

その後「日本ボウリング連盟」が設立されてボウリングのプロスポーツ化が進み、1969年には初の「女子プロボウラー試験」が実施。中山律子選手がパーフェクトゲームを達成したことで庶民の注目を集め、ボウリングが娯楽として普及し、一大ブームが巻き起こった。1970年代初頭には、テレビ局が競ってボウリング番組を放送していたほどの過熱ぶりだった。

だが1980年代にはブームが沈静化し、閉鎖されるボウリング場が続出。1990年代になると施設のリニューアルが進み、スコアの電子化やカラオケ場の併設などにより再び盛り返す。本エピソードが「週刊少年ジャンプ」に掲載された1993年は、この時期に相当する。

本作で両さんが飛ばされる先は、なんと冥王星。左遷だ、地方へ島流しだというレベルではなく、ロケットに乗せられて宇宙に向けて「飛ばされる」のだ。

めい旺盛は、かつては太陽系内でもっとも太陽から遠い軌道を持つ「惑星」だったが、2006年に惑星の定義が変更になったことから、「準惑星」へと格下げ(?)されている。

地球から発せられた人工物がはじめて冥王星に到達したのは、本作よりもはるかに後年の2015年となる。NASA(アメリカ航空宇宙局)の探査機「ニューホライズンズ」が9年半の時をかけ、史上初めて冥王星に接近した。両さんの冥王星の旅路も、さぞかし長く退屈なものになるだろう!?

ちなみに両さん、本作以前にも1990年に描かれた「暴走機関車の巻」(ジャンプ・コミックス第70巻収録)で、宇宙に飛ばされている。この時には蒸気機関車を暴走させたお仕置きとして、気象衛星にくくりつけられてロケットで打ち上げられていた。

「暴走機関車の巻」より。宇宙博会場を蒸気機関車で破壊し尽くした罰として、宇宙へ!
「暴走機関車の巻」より。宇宙博会場を蒸気機関車で破壊し尽くした罰として、宇宙へ!

それでは次のページから、ボウリングの練習がなぜか大破壊へとつながるお話をお楽しみください!!