外国人従業員なしでは成り立たないコンビニ業界
近年、街のいたるところで外国人店員を見かけるようになった。コンビニでは、大手3社(セブン-イレブン、ローソン、ファミリーマート)の外国人アルバイトの数が、すでにアルバイト全体の10%に達している。(共同通信 2024年5月15日報道)
さらに、東京23区にいたっては30%に達している時期もあったという。
いま接客サービス業全体が、慢性的な人手不足に陥っている。外国人店員なしでは、シフトを組めない店も多い。しかも複数の言語を話せるスタッフは、インバウンド対応においても貴重な戦力になる。そのため最近では、「近隣の店同士で、留学生アルバイトの取り合いになっている」(都内のコンビニオーナー)との声も聞かれる。
こうした需要を背景に、外国人店員の姿は、私たちの日常にすっかり溶け込んでいる。
一方で、外国人店員を快く思わない日本人も少なくない。悪質なカスハラとみられる言動を繰り返す人もいる。外国人店員へのクレームは、「おまえ日本語わかってんのか?」「外人が日本の店で働くな!」といった差別的な色合いが強く出るのが特徴だ。
外国人店員にカスハラする人の心理
外国人店員に対するカスハラはなぜ起こるのか。そこには大きく二つの心理があると考えられる。
① 「ちゃんとした接客をしてほしい」という心理
日本では、おもてなしや丁寧な対応が当然とされ、店員の言葉づかいや気配りにも厳しい目が向けられる。そのため日本語力が十分でない外国人店員に対し、一部の客は、「接客が不十分」と不満を抱いてしまうのだ。
② 「外国人に接客されること自体がイヤ」という心理
なかには、「日本で生活していて、なぜ外国人に接客されなければならないのか」と考える人もいる。その根底には、接客内容への不満というより、根深い「差別意識」がある。