「始末書の両さんの巻」(ジャンプ・コミックス第1巻収録)

今回は、2000話近くある『こち亀』の、記念すべき第1話をお届けする。

本作は、作者・秋本治先生による「週刊少年ジャンプ」への投稿作だ。「週刊少年ジャンプ」の新人作家募集企画である「ヤングジャンプ賞」に投稿され、1976年4月期に入選。25号で受賞が発表され、29号に掲載、秋本先生のデビュー作となった。

本作のオチで、両さんと中川は勤務中のとある行為(完全にアウトなやつ)によって上司の怒りを買い、左遷されている。

両さんがさまざまな土地に左遷されるという「飛ばされオチ」は、「両さんが調子に乗って暴走の挙げ句に大失敗をする」「両さんの狼藉に堪忍袋の緒が切れた部長が武装して派出所に飛び込んでくる」オチと並ぶ、『こち亀』名物オチの中の一種だ。つまり『こち亀』は、第1話にして「飛ばされオチ」を確立していたわけだ。ただし後年の作では、派出所内で左遷先を部長が告げ、両さんの姿はすでにいないパターンが多い。

ちなみに本作における新たな勤務先は、「ノサップ岬派出所」だ。ノサップ岬は北海道根室市にある。地図でいうと、北海道の右端の、そのまた先っぽに当たる。 離島を除けば日本の本土の最東端で、夏場の平均気温は日本一の低さだという。海に臨むと、目に飛び込んでくるのは北方領土だ。

東京都の警察組織である警視庁に属するふたりが、どんな采配で北海道警察へと転属させられたのかは謎だが、懲罰的な意味合いがあってのことなのは間違いない。両さんが日本の僻地に飛ばされるオチは、「こちら通天閣署別館の巻」(ジャンプ・コミックス第179巻収録)などで繰り返されている。

「こちら通天閣署別館の巻」より。ミサイルで新葛飾署を吹き飛ばした結果……!?
「こちら通天閣署別館の巻」より。ミサイルで新葛飾署を吹き飛ばした結果……!?

それでは次のページから、『こち亀』第1作にして初の飛ばされオチを披露するお話をお楽しみください!!