生放送のクイズ問題でミス発覚

近年、TBSの男性アナウンサーの活躍が光っている。報道部門のエースとして夕方の報道・情報番組『Nスタ』のメインキャスターを務める井上貴博、朝の情報・バラエティ番組『ラヴィット!』のゲーム実況で人気を獲得した赤荻歩、NHK出身でB'zの稲葉浩志のモノマネが得意な南波雅俊など、個性豊かな面々が揃う。

これらのアナウンサーよりも先輩で、ベテランの域に達してもいまだ根強い人気を誇るのは、現在入社29年目の安住紳一郎。若手時代に『ぴったんこカン・カン』で人気を博し、オリコンの「好きな男性アナウンサーランキング」では5年連続1位を獲得して初の殿堂入り。地位と名声を得てもなおフリーにならず、52歳となった今もTBSにとどまっている。

好きなアナ殿堂入り TBS安住紳一郎アナウンサー(C)産経新聞社
好きなアナ殿堂入り TBS安住紳一郎アナウンサー(C)産経新聞社

平日朝の情報番組『THE TIME』で司会を務める安住は、他の担当アナウンサーよりも10年あるいは20年先輩。もはや一人のアナウンサーではなく、番組の現場責任者としてスタジオに立っていると感じるときもある。

印象的だったのは、10月28日に放送された「脳シャキクイズ」のコーナー。問題は「栗の中に火を入れたら何になる?」。栗を「マロン」に、火をカタカナの「カ」に変換して答えは「マカロン」だった。

しかし、そのヒントとして出された「栗は英語で?」に多くの視聴者から指摘を受けた。栗を意味するマロンは英語ではなくフランス語で、英語で栗はチェスナットと呼ぶからだ。

すると翌29日、安住がオープニングトークでそのミスに触れ、自身も気付かなかったと詫び、「クイズのスタッフも反省していましたので、どうかお許しいただきたいと思います」と笑いを交えて謝罪した。

その後「意外と言ってはなんですけれども、英語かなと思いきや実はフランス語という言葉がたくさんあります」と前置きし、アンケート、パラソル、コロッケ、デビュー、プロフィール、マヨネーズなども実はフランス語であることをフリップで紹介。「服装、ファッション、料理、あるいは舞台関係の言葉はフランス語発祥のものが多い」と解説も入れていく。

加えて、メニューといった英語圏でも通用するフランス語発祥の言葉もあるが、英語圏で「マロン」はザリガニを意味するので、マロンケーキを注文すると大変なことになるとオチをつけた。

番組内でのミスを逆手に取り、日常の豆知識として笑いに変える——この“リカバリーのうまさ”は、ベテラン安住の真骨頂だ。