自民党党内から総裁選やり直しという意見が…
万が一「玉木首相」が誕生したとしても、積極財政路線は変わらない。消費税5%引き下げの財源について「躊躇なく赤字国債を発行すればいい」と主張していたのだ。そのため、野党連合による大どんでん返しがきたとしても、相場の底が抜けるとは考えづらい。
しかし、自民党内から出てきたまさかのシナリオで、常識が通用しない凄まじい衝撃をもたらすブラック・スワンが視野に入った。「小泉進次郎総裁」の誕生だ。
自民党の船田元元経済企画庁長官は、10月12日に自身のFacebookで高市総裁が辞任し、総裁選をやり直すという案を主張したのだ。
この投稿に対しては賛否両論が入り乱れているが、船田氏の主張は首肯できる点も多い。そもそも、自民党と公明党の連立は両党にとってメリットが大きかった。政策においては自民党が税制改革、安全保障、防衛などに力点を置くのに対し、公明党は社会福祉や教育を重視していた。財政や外交、安全保障と生活者の視点で棲み分けができ、バランスのいい関係を築いてきたのだ。
そして公明党の集票システムは強大で、自公の選挙協力なくして自民党の勢いを維持することは難しかった。
仮に自民党が国民民主との連立を実現しても、盤石な組織票は期待できない。国民民主の支持基盤である連合は、自民党との連携に否定的だからだ。これは経団連など経営層と結びつきの強い自民党に、労働組合の連合が安易に迎合できないためである。日本維新の会も大阪には強みを持つものの、全国レベルで勝算が見込める相手でもない。
船田氏は衆院選で公明が立候補した選挙区に自民候補をぶつけるという主張を、正気の沙汰ではないと一蹴。自公の地方組織の間では今なお協力関係を大切にしているところも多く、これが壊れれば多くの自民党議員は困難に直面すると警告している。公明党との連携を欠いた自民の行く末を案じているのだ。
公明党の斉藤鉄夫代表は、10月11日のYouTube番組「ReHacQ(リハック)」において、次々回の首相指名選挙においては連立協議があり得ると発言している。別の総裁であれば、再び連立する可能性があることを匂わせたのだ。