早くも新執行部は責任論を問われる可能性も…
新たな政策関係を構築するのであれば、政治不信の元凶となり続けている「政治とカネ」の問題への取り組みを確認する必要がある――。公明党側はそう主張し、連立維持の条件として、企業・団体献金の受け皿を政治家が代表を務める政党支部ではなく、政党本部と都道府県組織に限定する案をこの場で自民党に呑むよう迫ってきた。
高市氏らがこれを呑まなかったため「(連立は)アウトということになった」(自民党衆院ベテラン)と言われるが、これは表向きの理由だとの見方が強い。
「支持母体である創価学会としても、高市さんの歴史認識などについての言動を受け入れられない部分があるのだろう」(高市氏に近い自民中堅)
外国人問題への取り組みや、靖国神社への参拝などを重視してきた高市氏と、「平和の党」を掲げるリベラル色の強い公明党は、もともと水と油の関係。自民党内では、今回の連立離脱は、公明党側の高市氏への忌避感が本当の原因と言われている。
自民党の閣僚経験者は、こうため息をつく。
「弱っちゃうよ。これで高市さんはじめ、党執行部への責任論は当然出てくるだろう。公明党が連立から離脱すれば、自民党は衆院選の小選挙で25議席くらい落とすとも言われているから」
そもそも、高市氏が固めつつある新執行部や閣僚候補のメンバーは「公明党を挑発するような陣容だった」(同前)と言われる。とくに政治とカネの問題がくすぶり続ける中、高市氏が旧安倍派幹部の萩生田光一元政調会長を幹事長代行に起用したことが、公明党のさらなる怒りを招いたと指摘される。
派閥パーティを巡る裏金事件を巡り、今年8月には、萩生田氏の政策秘書が政治資金規正法違反(虚偽記載)で略式起訴された。
「萩生田氏以外にも、公明党が気にしている人事はありました。総裁選で高市氏を支援し、副総裁に就任した麻生太郎氏(85)は公明党に批判的なことで知られています。2023年に岸田政権で行なわれた安保関連3文書の改訂に際し、当時の公明党幹部らを『一番動かなかったガンだった』と名指しで批判した過去がある。
また、官房長官内定とされている木原稔氏(56)も、『公明党の応援はいらない』と選挙戦で推薦を受けてこなかったとされる“反公明”の代表格です。
公明党とすれば、いわば自分たちをバカにしてきた人たちが党幹部や主要閣僚に並ぶ政権で、とても協力できないという気持ちもあったのでしょう」(前出・閣僚経験者)