デフレ基調の中国で無印良品が人気に
株式市場は中国の不買運動を警戒している。
「無印良品」の良品計画は、高市首相の「存立危機事態」発言後の11月17日、株価が発言前と比べておよそ2割落ち込んだ。「ユニクロ」のファーストリテイリングも同日に、11月11日比で1割以上も下がった。
11月27日時点では、両社とも株価は回復基調にあるものの、良品計画は11月11日の水準まで戻り切っていない。
今年、良品計画は中国が成長ドライバーになっていた。2025年8月期の中国での営業収益は前期の約2割増となる1398億円だった。東アジア事業全体の6割以上、同社全体のおよそ2割を占めている。
2025年6-8月は営業収益が想定を86億円上振れる好調ぶりが特徴だったが、その要因のひとつが中国事業だった。
中国では杭州や重慶などの主要都市で大型店の出店やリニューアルに着手。1店舗あたりの売上高の改善を進めた。また、売上の2割はEC経由になっており、SNSを活用したマーケティング活動が奏功している。
中国は足元でデフレが進行しており、危惧されていた景気後退局面の「日本病」が迫っている。中国の消費者は中価格帯の商品を好むようになっており、無印商品の人気が高まっていたのだ。
高級家具を購入する余裕はないが、ホームセンターの安いものも積極的に使いたくない。デフレ下の日本では、そのような意識を持つ多くの若者が、無印良品の家具や日用品を買いそろえていた。中国も似た状況になっているわけだ。
そうした中で、中国での不買運動の機運が高まった。その影響が一時的なものであればいいが、中国には「メイソウ」(名創優品)という無印良品に酷似したブランドがある。こうした競合に客をとられることになれば、中期的に打撃を受けることになりかねない。












