蓮舫氏も知らなかった可能性?

2024年の都知事選でもこんな騒動があった。立候補していた蓮舫氏が選挙演説で、

「現役世代は結婚して子どもが産まれれば、コウジョがどんどん増えていく」

と発言し、「年少扶養控除がないことをまさか知らないのでは?」と炎上したのである。

蓮舫氏は年少扶養控除を廃止した民主党政権の中心的存在であり、2011年には少子化対策を担当する内閣府特命担当大臣でもあった。年少扶養控除廃止の影響を注視する立場にあったはずである。

蓮舫氏はネット上のこれらの指摘に対し、支持者のポストをリポストする形で、演説で話した「コウジョ」は「控除」ではなく「公助」のことだと“弁明”した。しかし、別の動画では「子どもがいれば税額控除が受けられます」と発言しており、苦しい弁明だと言えるだろう。

2024年6月、「税額控除が受けられます」と演説をする蓮舫氏(立憲民主党公式YouTubeより)
2024年6月、「税額控除が受けられます」と演説をする蓮舫氏(立憲民主党公式YouTubeより)
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また、そもそも年少扶養控除は税額控除ではなく所得控除であり、そもそも制度を正しく理解していないという指摘も受けていた。(税額控除は「納める所得税額から一定の金額を差し引く」もので、所得控除とは異なる)

当事者である蓮舫氏でも年少扶養控除がないことを知らない、あるいは制度を誤解している可能性があるのだから、玉木代表の懸念通り、年少扶養控除というものが一般にあまり理解されていないのは事実だろう。

しかし、当事者たちが不安視するように、「こども減税」という名前にしてしまうと何か新たに子育て世代に優遇を与えると誤解されてしまう可能性は十分あるだろう。

玉木代表の「伝わりにくい」という悩みは真っ当といえるが、「本来あってしかるべきものを復活させるだけなのに、子育て世代だけズルいと言われそう」という子育て世代の不安を受け止め、もっと良いネーミングを考えることを期待したい。

文/集英社オンライン編集部ニュース班