術後半年はほぼ何も食べられず…
「スリーブ手術」とは、胃の大部分を切除して食事量を制限する、現在日本で主流となっている減量手術だ。
ブルさんがこの施術に踏み切ったのは2015年のこと。プロレス引退の直接的原因となった左ひざ靱帯の断裂から18年、ブルさんのひざは限界に達し、歩行困難になるほどだった。
この時の体重は約100キロ。人工関節を入れるにもこの体重では術後のリハビリにひざが耐えられない。かといって、術前に減量をしようにも膝が悪くて運動自体がままならない。そんな状態でブルさんが決意したのが、一般にはほとんど認知されていなかったスリーブ手術だった。
「芸能界では小錦(八十吉)さんくらいしか当時は症例がなかったですが、私は手術自体に抵抗はありませんでした。親は『なんで病気でもないのに胃を切るの?』ってすごくビックリしていて、私が『この先の人生、自分の足で歩いて楽しい生活を送るためにやるんだよ』と説得してようやく納得してくれました」(ブル中野。以下同)
しかし、胃の9割を切除してささみ1本分くらいにまで小さくする大手術だ。当然、かつての食生活に戻れないことは覚悟していたが、その苦しみは想像以上だった。
「手術の2日後に退院しましたが、当初は食べるのはもちろん、水分補給だってペットボトルのキャップに入れた水をちょっとずつ飲むのがやっと。それでもよく吐いてましたね」
飲みたいけど飲めない。その辛さは想像を絶する。「無理に飲むと吐いてしまうけど、のどは渇く。それがスリーブ手術で一番辛い。あのときの願いは冷たい水をゴクゴクと一気飲みすることでした」とブルさんは当時を振り返る。














