「知ったかぶり警官(ポリス)の巻」(ジャンプ・コミックス第176巻収録)
今回は、亀有公園前派出所に配属された新人巡査・雑学(ざつ・まなぶ)が初登場するお話をお届けする。
雑は、雑学に明るくその知識をやたらと披露したがる、ちょっと面倒くさいキャラクターだ。実はかなりの小心者ゆえ、その反動もあってか、その知識量でマウントを取ろうとしがち。
いわゆる一発屋キャラで終わるかと思いきや、本作の2つあとのエピソード「勘違い警官(ポリス)の巻」(ジャンプ・コミックス第176巻収録)で、(偶然が重なって)暴力団事務所を壊滅させる。
さらにその後は、手先の器用さが尋常ではなかったり、絵の才能がハンパなかったり……といった意外な才能を持つが、本人はまるで無自覚というキャラクターへと変貌。長年に渡って寺井洋一や凄苦残念(すごく・ざんねん)が務めてきた「派出所メンバーの中では普通の人」ポジションを獲得した。
ちなみに雑巡査のやや「雑」なネーミングは、もちろん「雑学」に由来している。
本作が描かれた2010年は、2000年代に起きた「雑学」ブームが続いていた時期だ。そもそも昔からテレビのクイズ番組やクイズ本など、「雑学」を娯楽として扱うメディアは存在していた。
それが1990年代後半の若者の間でのサブカル系教養ブームを経由して、2002年から放送がスタートしたテレビ番組『トリビアの泉 ~素晴らしきムダ知識~』で一躍注目を集めることに。雑学や豆知識を「トリビア」と呼ぶようになったのは、『トリビアの泉』の影響によるものだ。ちなみに「トリビアの泉」はローマの観光名所「トレビの泉」のもじり。
なお雑の特性・性格の設定は、2010年に流行していたテレビ番組『今すぐ使える豆知識 クイズ雑学王』にインスパイアされたものだろう。タレントが雑学知識によるバトルを繰り広げる内容で、これが「雑学によるマウント」仕草の元ネタだと思われる。
雑学をネタにしたバラエティは、その後『東大王』という東京大学の学生チームがタレントチームと知識を競う「知識+学歴」マウント合戦へと進化(?)。近年は、玉石混淆の知識披露の動画が配信プラットフォームなどにあふれている。
しかし、だ。我々にとっての雑学王といえば、やはり『こち亀』という作品だ。今週のお題にも挙げているが、遊び方からマニアックなホビー、世の中やお金の仕組み、はては人生の楽しみ方に至るまで、実にさまざまなことを『こち亀』で学んだのは間違いないだろう。
それでは次のページから、雑学王を自認する新人警官の初登場話をお楽しみください!!



















