1番のおすすめは…
ぬいぐるみや着ぐるみにはなっていないが、開幕後に注目度が高まっているのが、東欧リトアニアとラトビアが共同出展する「バルトパビリオン」だ。5月13日、同館のエントランスにこのキャラクターとミャクミャクのぬいぐるみが展示されていたのだが、あろうことかミャクミャクのぬいぐるみが盗まれてしまった。
万博の警備体制が非常に心配になるところだが、申し訳ないと思った来場者たちが次々と、一人ぼっちになったバラビちゃんのためにミャクミャクを寄付したことでニュースになった。
ただ同時に、バラビちゃんのお腹部分に人間と思しき顔が埋め込まれていることも話題になった。
「ネーミングですが、バルトの『Bal』が文字られているのはいいですね。足のことも考えられており、一番安定感のあるキャラクターです。着ぐるみがないのはもったいない。
しかし、わからないのは、お腹に出てくる“顔”。これはちょっと気持ち悪いですね。しかも男の子ではなく、ヘーゼルナッツが擬人化されたものだというのが……。おまけに表情もある(笑)。
それでも、顔がなかったらキャラクターとしてはつまらないんですよね。だから、その発想は素晴らしいですよ。誰も“実”が擬人化しているなんて思いません。まぁ、要素としては“怖い”ですけどね」
このように、万博会場にはさまざまなキャラクターがいる。運が良ければ、パビリオンの前で各国のキャラクターに会える可能性もあるのだ。
「『出会える楽しさ』というのは、ただかわいいから会いに行くというだけでなく、そのキャラクターの魅力を探るための“謎解き”の要素もあると思います。だから、いろいろなことに興味を持って、万博に行くのもいいかもしれません」
そんな井上氏に、もっとも注目している万博のキャラクターを聞いた。
「結局、一番はオランダの『ミッフィー』です。シンプルの極み。色もブルーナカラーで統一されていて、マークに近く、グッズ向きです。実は、線も少し歪んでいるんです。そういう“ゆるさ”……いや、これこそが癒しですね。Illustratorなどでは表現できません」
万博の会場には世界のキャラクターだけではなく、アルプスの少女ハイジやガンダムもいる。思う存分、キャラクターを楽しむことができるのだ。
取材・文・撮影/千駄木雄大