気になるキャラクター「イタリアちゃん」

万博開幕の1年前、突如として「ミャクミャクの友達」が各国から発表された。これらのキャラクターは一部で「ゆるキャラ」と紹介されることもあるが、厳密に言えば定義は違う。

「ゆるキャラの発端というのは、『マイブーム』という流行語を作ったみうらじゅんさんが、いろんな自治体の“顔が取れちゃいそうな”、身体も太っていない、その人の体型のまんまといった“完璧ではない”キャラクターのことを指していました。

それが『ゆるキャラブーム』の最中、『だらしがないけど、かわいいもの』となっていったんです。『ゆるキャラ=癒しを与えてくれる存在』というのは誤解で、本来は『情けなさ』に近い感覚でした」(以下、井上ヒサト氏)

そのような意味合いで言えば、本物の「ファルネーゼのアトラス」やレオナルド・ダ・ヴィンチの直筆スケッチなどが展示され、連日長蛇の列となっているイタリア館は、キャラクター「イタリアちゃん」も非常に手が込んでいる。

右下にいるのが「イタリアちゃん」
右下にいるのが「イタリアちゃん」
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「初めてこのキャラクターを目にしたときは、『日本人がデザインしたのか?』と驚いてしまいました。顔立ちも鼻が高くないし、髪色も暗めの紺で、イタリア人というより日本人のよう。

それに、桜、オリーブの葉、オークの枝などキャラクターの個性を際立たせる要素が盛りだくさんというのも、日本のキャラクターっぽい。やっぱり、イタリアちゃんは日本人なのかも? ぜひ会場で会って、その贅沢ないろんな要素を見る価値がありますよ。特に、背中から見てみたいですよね。帯がどういう留め方なのかも気になりますが、そこも凝っていてほしいです」