多数決で非公開に賛成していた増山氏や岸口氏
立花氏は増山氏からAさんが不倫をしていたなどと書かれた別の文書も受け取っていたと公表。さらに維新の白井孝明県議の名も挙げ、これら維新の3人の県議が「僕に情報をくれていました」と主張している。
「実際に立花氏は音声と怪文書に沿った話や、さらにそこから膨らませた話を選挙中に街頭演説で話し、それをYouTube動画で拡散させました。『斎藤氏はハメられた』と訴える2馬力選挙を展開したのです。
その効果は大きく、斎藤氏が逆転勝ちした選挙結果にも大きく影響したとみられています。
それだけではありません。怪文書で名前が挙げられた竹内氏ら、斎藤氏の疑惑解明に積極的だった議員らが、SNSなどでデマ交じりの誹謗中傷にさらされてしまいました。『家族を守りたい』として県議を辞職した竹内氏はその後も攻撃され続け、1月に急逝しました。攻撃で心身ともに疲れ果てた末の自死とみられています」(フリーランス記者)
この悲劇につながる問題の“きっかけ”のひとつともいえる隠し録音をしたことを増山氏は2月19日に公開されたYouTubeチャンネル「ReHacQ」の動画で、笑みを浮かべながら、
「端的に申し上げますと、10月25日の片山元副知事の発言を録音して立花氏に渡したのは私です。ハイ。県民のみなさんがこの情報を知らずに行動していいのか、という思いがあったんですよ」
と説明した。
だが、この説明は不誠実だと県職員の一人は憤る。
「斎藤氏の本人の尋問が予定されていなかった10月25日の百条委の内容を選挙後まで非公開にすることには反対もありました。しかし斎藤氏を擁護してきた増山氏や岸口氏らは多数決で非公開に賛成しているんです。
『県民がこの情報を知らなくていいのか』と言いながら、告発内容と関係のないAさんのプライベート情報を片山氏が一方的に言い立てた部分の音声を立花氏に提供したことの説明になっていません」