尋問内容は選挙後まで非公開のはずだった
問題の音声は昨年10月25日に秘密会で行なわれた百条委での片山安孝元副知事の証人尋問を録音したものだ。知事選のさなかの昨年11月5日に立花氏が自身のSNSで約3分13秒間のやり取りを公開していた。
「録音の中で片山氏は、増山氏の質問をきっかけに、斎藤氏の一連の疑惑を外部に告発した元西播磨県民局長・Aさん(60)を調べる過程で押収した県の公用パソコンの中に、斎藤県政を倒すクーデター計画をうかがわせる文書があった、と話しています。
さらに片山氏は、パソコンには不倫が関係する可能性がある文書もあったと話し始めました。この直後に百条委の奥谷謙一委員長が『それはプライバシーにかかわる情報だから話さなくていい』と制止しましたが、片山氏がなおも強引に話そうとしたため、奥谷氏が尋問をやめ休憩すると宣言する声が入っています。片山氏への尋問は2時間予定されていましたが、結局この問題により50分程度で打ち切られました」(県議会関係者)
実はこの尋問内容自体はずっと秘密にされていたのではなく、後に百条委が大部分を公開している。その経緯を地元記者が振り返る。
「10月24、25と2日間連続で関係者の尋問が行なわれたのですが、同月31日に告示が迫っていた出直し知事選に影響を与えないようにとの理由で、選挙後までは内容を公開しないことが決まっていたのです」(地元記者)
こうして尋問は非公開となったが、メンバーとして出席した増山氏が、隠れて録音した音声を立花氏に提供していた。立花氏によると10月31日にカラオケボックスで受け取ったという。
さらに立花氏は音声を暴露した11月5日、百条委の副委員長を務めていた岸口実県議から受け取ったとする怪文書も公開している。
文書は告発者のAさんが昨年7月に自死したことに絡み、当時百条委メンバーだった竹内英明元県議らを“黒幕”と名指しし、竹内氏がAさんの自死を斎藤氏の責任に見えるように印象操作しているなどと非難する内容だ。Aさんのことも「過去10年以上にわたって複数の職員と不倫」などと貶めていた。(♯29)