「不誠実じゃないですか」値上げに関して本心を告白

まずはこの一年、食材と光熱費の高騰などを受けて、飲食店は過去最多のペースで倒産していったと報じられているが、年始と夏季休暇を除いて24時間営業している一由そばではどんな困難があったのだろうか。

「この一年というか、コロナ禍以降は人とお金の流れが大きく変わってしまいました。例えば物価で言いますと、材料の仕入れ値ですね。今まではだいたい、材料の仕入れの価格が少しずつ上がっていって3年を目処に、順次値上げをしていきました。

ウチが吸収できる限界を超えたときに値上げをお客様にお願いするっていうかたちで、一度値上げをすれば、3年はもっていたんですが、ここ数年は1年どころか、下手したら1年ももたないくらいで……。値上げのペースがあがっているんです」(山本社長、以下同)

実際、一由そばは今年9月と12月に2度の値上げをしている。どちらも計画的なことではなく、突発的に経営が厳しくなり、限界を迎えての値上げだった。9月に値上げした時点では、12月にも値上げをすることなど一切考えていなかったのだが、わずか3か月にして、状況が変わってしまったのだ。