才能に気づいたきっかけは、“ガンプラ”
細部まで極めて忠実に表現しており、玄人はだしとはこのことだ。さぞ製作には時間がかかったのではないか。
「息子は普段小学校へ通っていて、習い事もしているので、製作に割けるのは平日の寝る前1時間程度と、休日の数時間だけです。今回のミニだんじりを製作するまでには、足掛け2年ほどかかりました」(父・三田智也さん、以下同)
智也さんが息子の才能に気づいたきっかけは、“ガンプラ”(ガンダムのプラモデル)だった。
「息子は小学校1年生のとき、機動戦士ガンダムシリーズのUC(ユニコーンガンダム)のMG(マスターグレード)を上手に作りました。変形する仕様になっていて、可動式パーツもあるため、かなり複雑です。接続を間違えれば動かなくなってしまうので、大人でも製作は容易ではないと思います。
息子が説明書を読んできちんと自分で考えながら作っている姿を見て、『もしかすると工作の才能があるのではないか』と思ったのが最初です」
その後、智也さんは誕生日やクリスマスなどのお祝いとして、小学生には高額と思われるプラモデルも本人が「欲しい」と言えば買い与えた。そして息子もまた、最後まで自力で作り上げたという。
「8歳くらいのとき、LEGOの『レゴテクニック』というシリーズのなかから、1〜2万円するポルシェやフェラーリのLEGOを買いました。9歳のときはブガッティ・シロンをプレゼントしました。かなり難易度も高く、約5万円と値段も張るおもちゃでしたが(笑)」
智也さんがミニだんじりの製作を息子に勧めるのは、至極自然な流れだったというわけだ。
「私は地元が岸和田市であることもあり、昔からだんじり祭りが好きです。家族でだんじり祭りに参加したり、また自身もミニチュア製作を行ったりしていました。私が息子に製作を勧めたとき、彼は現在ほどだんじりに興味はありませんでした。
けれども、だんだん形になるにしたがって、だんじり祭りそのものにも興味が出てきたように思います」