価格を抑えられているのはなぜか

一般的にスーパーマーケットはおよそ1万種類もの商品が置かれていると言われている。しかし、業務スーパーは5000を超える程度の品数だ。

フランチャイズオーナーの意向はあるものの、生鮮食料品はほとんど扱わず、冷凍食品や調味料、加工食品に強みを持っている。

売れ筋商品にフォーカスして廃棄も少なくしているため、店舗の収益力を高めやすいのだ。

一番の特徴である安さの背景にあるのが、スケールメリットとプライベートブランド(以下、PB)だ。

日本で1000を超える店舗を持つ会社は、ボランタリーチェーン方式で加盟店を支援する全日食チェーンや、イオンの小型店舗である「まいばすけっと」など数が限られるのだが、業務スーパーもそのうちのひとつで2024年10月末時点の店舗数は1084。

さらに、今期は1118まで増やす計画を立てている。

業務スーパー店舗数推移のグラフ ※決算説明資料より筆者作成
https://www.kobebussan.co.jp/upload/ir/IRNews/872/872_20241213.pdf
業務スーパー店舗数推移のグラフ ※決算説明資料より筆者作成
https://www.kobebussan.co.jp/upload/ir/IRNews/872/872_20241213.pdf

しかも、業務スーパーは知名度の高いブランドの商品はあまり扱っていない。

醤油やマヨネーズ、ケチャップなどの調味料は超大手の寡占化が進んでいる。

そうした状況のなか、知名度が高くはないブランドの調味料を製造する会社にとって、大量に商品を購入する神戸物産は好都合だ。多少の値引き交渉があっても取引を厭わないだろう。

大手メーカーの商品は価格優位性を獲得しづらく、業務スーパー側にとっても商品を低価格で販売できるというメリットが生じるのだ。