告発が県警と地検の双方に受理された

兵庫県西宮市のPR会社「merchu」の代表取締役・折田楓氏が選挙の3日後の11月20日に自身のnoteで、選挙で斎藤陣営の4つのSNS公式アカウントの「管理、監修」を含む広報全般を“仕事”として手掛けたと受け取れる選挙活動記録を公表したことで、疑惑が発覚した。

公選法はネット上の選挙運動について、業者が主体的に企画・立案を行い、この業者が選挙運動の主体と認められる場合、報酬の支払いは買収罪に当たる可能性があるとしている。

候補者本人や陣営幹部の買収行為が認められれば、候補者の当選が無効になる場合もある。

「折田氏のnoteは違法との指摘が出ると、問題のある個所が次々と削除・改変されました。斎藤氏自身は疑惑に対して『公職選挙法に違反するような事実はないと認識している』『代理人、弁護士に対応をお願いしている』とだけ話し、その代理人として登場した奥見司弁護士が11月27日に記者会見したんです」(地元記者)

その会見で奥見氏は、斎藤陣営が「ポスターデザイン制作」などの名目で計71万5000円をmerchuに支払ったと認めたが、折田氏はSNS広報を「ボランティア」で行なっており、主体的な関与もないと主張し、違法性を否定した。

奥見氏は、折田氏のnoteの記載は自分の役割を大きく見せるために「盛った」のだと説明した。

斎藤陣営の選挙カーに上がり動画を撮影する折田氏(斎藤氏のYouTubeより)
斎藤陣営の選挙カーに上がり動画を撮影する折田氏(斎藤氏のYouTubeより)
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この斎藤氏側の主張を受け、自民党の裏金問題を解明した神戸学院大の上脇博之神戸学院大教授と、元検事の郷原信郎弁護士が、斎藤氏本人は買収罪の、折田氏は被買収罪の、それぞれ適用対象だとする告発状を兵庫県警と神戸地検に送付。

この告発が県警と地検の双方に受理されたと、16日にメディアが一斉に報じた。