芸人審査と一般審査でどう結果が変わるのか?

芸人にとって常に悩みどころなのは、広く一般にウケて売れたいと願う一方で、同業者である芸人に面白いと思われたい願望もあることです。

一般のお客さんとプロの芸人の感覚が同じだったら問題ないのですが、何事も玄人と素人とでは見方も感覚も異なるように、漫才も、芸人にウケるネタと一般のお客さんにウケるネタは少し違います。

また、一般のお客さんの中には、お笑いのコアなファンもいます。では彼らがプロの芸人と同じくらいの感覚を持ち合わせているかといったら、それも違う。

コアなファンはコアなファンで、劇場に足を運んでテレビに出ないような漫才師のネタも見ていたり、SNSで情報交換をしていたりするので、プロの芸人とは違う視点で漫才を見ているところがあると思います。

【ノンスタ石田のM-1論】お笑いを「得点化」する無理難題が要求されるM-1で、芸人審査員と一般審査員には同じアピールでもいい?_2

漫才に一番詳しいのは、もちろん、漫才師です。ゆえに同業者にウケたいという気持ちが先走ると、純粋にレベルが高すぎることばかりやりたくなってしまう。すると当然、一般的には理解されず、コアなファンにも意外と伝わらず、ウケないというジレンマがあるわけです。