声優・俳優としてだけでなく、料理家としても活躍

さらに、大山さんは料理研究家としての一面もあり、テレビ番組「大山のぶ代の料理朝一番」(TBS)でその腕前を発揮するだけでなく、『大山のぶ代のなんと2分間クッキング』(主婦の友社)などの料理本も多く手がけていた。

そんな“ベストセラー作家”でもあった大山さんは、『大山のぶ代のおもしろ酒肴』(主婦の友社)が刊行された際に、その肩書きについて次のように語っている。

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■『おもしろ酒肴』が売れてるそうですね?

お恥ずかしい。私、出版社の人に16万部出たと聞き、『じゃあもうすぐベストセラーね』といったら『今ベストセラーなんです』といわれて。私、なんかいけないことしたみたいで、すごく落ち込んじゃったんです。

■胸を張るべきでしょう?

物書きでないのにこんなに売れちゃって…。本屋さんの前を通る時もすごく恥ずかしく、下を向いてコソコソ足早に通るの。

■ご主人(砂川啓介さん・43)はどんな反応ですか?

今は、役者だから役者しかやらないという時代じゃないよ、って。私、落ち込むと食欲を失って、料理を作る意欲を失うものだから、向こうも必死だったみたいですよ。

(出典:集英社『週刊明星』1981年4月30日号)
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(出典:集英社『週刊明星』1981年4月30日号)
(出典:集英社『週刊明星』1981年4月30日号)
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「ドラえもん」降板後も、テレビ・ラジオをメインに、講演やタレント活動、ナレーションなど、さまざまな舞台で活躍した大山さんだが、2012年にアルツハイマー型認知症との診断を受けた。

砂川さんが2015年にそれを発表後、公の場に姿を現すことはなくなったが、メッセージ収録などの仕事は続けていたという。その後、2016年に在宅介護から老人ホームへと移り、同年で芸能活動を事実上終えた。

突然の訃報に、日本のみならず、世界中から追悼のコメントが発信されている。ドラえもんの声を通して、多くの人々に夢と希望を与えてくれた大山さん。

彼女の声は、いつまでも私たちの心に残り続けるだろう。大山さんのご冥福をお祈りしたい。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班