「2世で活躍してる選手、見たことないもん(笑)」
2023年、中日への移籍をきっかけに中田は名古屋市内にマイホームを購入した。球場ではドッシリと貫禄十分でぶっきらぼうな印象すらある中田だが、自宅では家族に料理をふるまうなど、ふだんはあまり見せない父親の顔をのぞかせる。
「全然料理しますよ! 子供たちに料理作って食べさせたりしてますよ。でかいホットプレート出して、一緒に作ったりとか結構しますね」
単身赴任ではなく、家族での引越しを選択するほど家族との時間を大事にしている中田には、最近子供に言われて嬉しかったことがあるという。
「5歳の長男が“野球をやりたい”“パパみたいになりたい”って言ってくれたんです。素直に嬉しかった。そんな風に俺を見てくれてたんだなって。
“パパがやってるから一緒に野球やりたい”ってね。俺と一緒にプロ野球でやるのは年齢的に不可能なんだけど(笑)。でも、まだ物心ついてない5歳児がそういう風に言ってくれたのが素直にうれしかったです」
子供の話をするとき、中田は目を細めて優しい表情を浮かべる。球場ではあまり見せない素顔に驚ろかされるが、もし実際に野球を始めるとなったら、どんな指導を子供にするのだろうか。
「ある程度技量がつくまでは“好きなようにやりなさい”って言うと思いますね。自分で考えて、磨くことで才能が左右されるわけで、初めの段階から俺らみたいな知識を持ってる人間がいじっちゃったら、変な成長をしてしまう子もいるんでね」
子供の野球について話すとき、いつになく熱を帯びて話す中田を見ていると、いつか中田2世が、甲子園やプロ野球で見られる日がくるかもしれないと期待してしまう。
「まぁ将来のことはわからないけど、2世で活躍してる選手、見たことないもん(笑)。教えたくなる気持ちもわかるけど。
俺も子供が素振りやキャッチボールをしてたら、細かく教えたくなるけど、今はグッと堪えてる。子供だから右で投げたり、左で投げたりしてるけど、 やっぱり、今は野球を好きになることが一番だって思いますよ」