「このままだと潰れてしまう…」睡眠4時間の日々、双子の育児と仕事で多忙極め
「パパー、いってきまーす!」
ランドセルを背負い元気よく家から駆け出す男女の双子の背中を微笑ましく見守るのは、都内に住む自営業、平松勇一さん(38)。
双子の誕生を機に約1年間の育休を取得し、「育児が楽しい」と話す平松さんだが、一時は双子ならではの育児の大変さなどから育児うつに陥ったこともあるという。
双子が誕生したのは2018年2月。その約1年前に妻の母が脳出血で倒れたことをきっかけに、夫婦は東京からお互いの地元である愛知県に拠点を移していた。
平松さんは転職したばかりの時期だったこともあり、双子の育児がスタートするや、その忙しさは想像を絶するほどだった。
新生児は2、3時間おきに授乳やオムツ替えが必要だが、子どもが2人いることでそれが同時に起きたり、交互に頻繁に訪れることで夜間の睡眠時間がほとんど確保できない状態が続いたという。
さらに双子が生まれた翌月の3月は年度末ということもあって、平松さんは仕事でも多忙を極め、帰宅するのは毎日午後10時すぎ。そこから夜中の3時まで双子の育児を担い、それ以降は妻にバトンタッチして睡眠を取る日々。夫婦ともに毎日睡眠4時間の状態が続いた。
「このままだとどちらかが潰れてしまう」
危機感をつのらせた平松さんは育児の状況を会社に相談し、1年1カ月の育休を取得することになった。しかし、当時はまだ男性育休が今ほど浸透していなかったこともあり、育休に理解を示してくれる社員もいることにはいたものの、社内には重苦しい雰囲気が漂っていた。平松さんも少しの負い目を感じながら育休に入った。