「捜査のためにカメラを設置させてほしい。詐欺事件です」
一方、斎藤夫妻と共謀関係にある野村容疑者の自宅は東急東横線の妙蓮寺駅から約500メートルほどの高台のエリア。瀟洒な一軒家と古いマンションやアパートが混在する閑静な住宅街で、野村容疑者は古い2階建てのアパートに住んでいた。すれ違うのも苦労する狭い外廊下はお世辞にも綺麗とは言えず、どこか荒んだ印象を与える。
アパートの大家に野村容疑者の顔写真を見せてみた。
「この方は2ヶ月前に引っ越してきたばかりです。引っ越しの挨拶もなかったし、何の仕事かも私は知りません。アパートの前で4回ほど見かけたことはありますけど、あまり社交的ではないのか、ハキハキ挨拶するというよりはペコッと会釈するだけって感じでしたね。服装もTシャツ姿ばかりでしたからね。
家賃は3〜4万円で、1人で暮らすということでしたけど、実際は朝も夜も家にはほとんどいないようでしたので、実質は荷物置き場みたいにして使っていたんじゃないかって思ってます」
大家は野村容疑者が何らかの犯罪に関わっているらしいことに気づいていたという。
「というのも2ヶ月ほど前に、私の知り合いの家に警察が来て『捜査のためにカメラを設置させて欲しい。詐欺事件です』と説明されたと言っていましたから。そうしていたら逮捕されたって報道も出ていましたしね。ただ、どこから来た方なのかなど詳細については全部不動産屋に任せてしまっているからわからないんです」
警察の調べに対し斎藤容疑者は黙秘。妻の智華容疑者は「身に覚えがない」と容疑を否認しているという。これ以上被害者が増えないことを祈る。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班