転校早々いじめの標的に
「幼少期は地獄でしたよ、ホントに」
なおさん(48)が吐き捨てるように言う生活が始まったのは、小学2年生のとき。両親が離婚して、会社員の母親と2歳下の弟の3人で、都内に引っ越したことがきっかけだ。新居は母親の実家の近くだったが、町全体が荒れていてガラも悪い。なおさんは転校早々いじめの標的になってしまったのだという。
「家でテレビゲームをしているのが好きで、外に出ないおとなしいタイプだったんです。運動音痴で体育も苦手だし走るのも遅い。たぶん抵抗しなさそうだから(標的に)選ばれたって感じで、いろいろありましたね。
朝、学校に行くと、自分の椅子に画びょうがたくさん置いてあって、知らずに踏んじゃって、“うわぁ”とか。集団で囲まれてボコボコにされたりとか、無視もすごかった。うちの学年は、特に荒れているって評判で、中学卒業するまではずっとそんな感じだったから、学校に行くのは怖かったです」