独立後は野垂れ死ぬ不安もあった

――独立してから、いろいろなことがあったと思います。10ヶ月間を振り返ってみて率直に思うことは?

渡邊渚さん
渡邊渚さん

渡邊(以下同) 毎日違うことをしているなと感じますね。執筆や撮影、ロケの日もあれば、対談する相手の著書を拝読したり、すごく勉強しないといけない日もあります。でも活動範囲が広がったなと感じます。

発見もありました。フジテレビに入社した2020年はコロナ禍で、ロケに制限があったんです。パーテーションがないとこんなに声が聞き取りやすいんだと感じたり、スチールの撮影も含めて、最近改めてロケとは楽しいんだなということを知りました。

独立した当初は、仕事が来なくなり、1年後には収入がなくて野垂れ死ぬかもしれない。そんな怖さを感じていました。

独立直後くらいに来たのがフォトエッセイと写真集の仕事で、それ以外の仕事はもう来ないと思っていましたから。

――現在はMCを務められている番組もあったり、講演会や大学での講義など多くの仕事をされていますが、ご自身で仕事を引き受けるにあたって迷うことはありますか?

すごくありましたし、引き受けてからも、これでよかったのかなと葛藤することも多いです。でも、何もできなかった2年間があるので、何かあるということがうれしい。

自分に仕事を頼んでいただける気持ちを大事にしたいし、もしその仕事に興味があるなら、そのチャンスをなかったことにするのはもったいないなと思って、できる限りお引き受けしてきました。

数ヶ月先のことさえ見通せない世界ですし、仕事があるのは今だけかもしれない、現在の生活をどのくらい維持できるだろうかと考えてしまいますね。

ただ、金銭的な不安はあるにしても、全体の幸福度は今のほうが高いかなって。体力的には半日活動するのが限界で、以前のように一日中寝ずに仕事をすることはもうできない。生活のバランスを自分でコントロールできるので、自分の体に合った働き方ができているのはよいことだと感じています。それにいろいろな仕事ができることは楽しいですし、日々、充実しています!