試してみないと、何事もわからない!
たとえば、植物の知識がない人は、近くにめずらしい花が咲いていても何も思わないでしょう。植物にくわしい人なら「この時期にこの花が咲くのはめずらしいな」「この土地に咲くのはこういう気候だからかな」などと気づくことがあると思います。
そして、それがひらめきのタネになったりするのです。
エジソンは子どものころから「知りたい」欲求が強かったんです。
だから周りの大人に「なぜ?」「どうして?」とたくさん質問をしていました。
そして、「こうなんじゃないか?」と考えたら、実際に確かめて知ろうとしていました。
たとえば、ガチョウがたまごの上に乗っているのを見て、
「あれは何をやっているの?」
「たまごをあたためてヒナをかえそうとしているんだよ」
と教えてもらうと、すぐに自分もたまごを抱いてうずくまり、ヒナをかえす実験をはじめました。家畜小屋の主人に大笑いされたんだって。
こんなこともありました。鳥を観察していたとき、
「鳥が空を飛べるのはミミズを食べているからではないか」
とひらめきます。そして、ミミズをすりつぶして水に混ぜた「ミミズドリンク」をつくって近所の女の子に飲ませちゃった! 女の子はすぐにはいたので異常はありませんでしたが、ひどく怒られることに。……とまあ、失敗はたくさんしているけど、そのぶんいろいろなことを知ることができたんだね(でも、ミミズドリンクは絶対にマネしないで!!)。
本を読むのも大好きで、15歳のころには図書館の本を全部読んだり、『ブリタニカ百科事典』を読んで全部覚えようとしたりもしました。自分の中にたくさんの知識を入れようとしていたんです。すさまじい知識欲!
・出典
『エジソン 20世紀を発明した男』ニール・ボールドウィン著 椿正晴訳 三田出版会
『齋藤孝の親子で読む偉人の話 1年生』齋藤孝著 ポプラ社
「トーマス・エジソンの白熱電球と日本の竹」(PUBLIC RELATIONS OFFICE GOVERNMENT OF JAPAN)
文/齋藤孝