宮崎のホテルはキャンセルが続出
9日の地震と気象庁の発表を受け、JRが一部の路線で特急の運行を止めたり、NHKが災害対応画面で放送を続けるなどしているが、今のところ社会は平静だ。ただ、お盆直前の地震の騒ぎは、太平洋側の行楽地を直撃し、関係者は気をもんでいる。
震源地に近い宮崎市は、青島海水浴場を地震発生から遊泳禁止とし、9日までその措置を続けた。
「今まで経験したことがないほどめちゃくちゃ揺れまして、車を運転していたんですけど、パンクしたかと思いました」と話すのは宮崎市観光協会の職員Aさん。
「巨大地震注意の発表もあったので、青島海水浴場を訪れるお客さんが減ってしまうのでは、と心配です。今年はもともと暑すぎてお客さんが減っていました。1割か2割くらいは少なくなっているでしょうね。それに加えてこんなことになって…。
地震が起きた直後に津波注意報が出たんですけど、海水浴場ではライフセーバーさんたちがふだんから訓練している通りにお客さんを避難させ、けが人もありませんでした。9日は施設の点検を行なって遊泳を止めましたが、施設に問題はなく、津波注意報も解除されたので10日から海水浴は再開します。また地震が起きたり、津波の危険が迫ったりすれば、近所のホテルの上階に海水浴客が避難する手はずになっています。
今回の地震で南海トラフ地震をリアルに感じましたし、周辺の観光に影響が出るんじゃないかとも思います。宿泊施設に聞き取りをしていますが、キャンセルも出ていますし、とにかく心配です」(Aさん)
その青島海水浴場の近くにあるホテルに勤務する男性Bさんの悩みも深い。
「毎年お盆はお客さんに来てもらう時期で、今年も地震の前まではほぼ予約でいっぱいだったんですけど、キャンセルの連絡が増えています。あれだけ報道されれば心配もされるでしょうし、しょうがないと言えばしょうがないですけど、起きるかどうかわからない地震なので“風評被害”という気もします。この時期にぶつかったのはめちゃくちゃ痛いですね」(Bさん)
宮崎県では、8日夕方の地震のような揺れを経験したことがないという人が多い。その後、9日午後2時までに震度1以上の地震が14回起きており、余震がこの先も続けば客足はさらに遠のいてしまいそうだ。