国民の給与は最低クラス、政治家の給与は最高クラスの日本

またそもそも、最低賃金が過去最高の上げ幅を記録したとはいえ、先進国の中ではいまだに日本の賃金は最低クラス。お隣の韓国は2025年に、時給1万30ウォン(約1160円)とすることが決まっている。

日本とあまり差がないように感じるが、韓国はわずか10年前の2014年では最低賃金が5千ウォン程度(当時のレートで約500円)であった。たった10年で、倍以上に伸びているのだ。日本はこの間200円程度のアップで比率で言うと、25%ほど。韓国の4分の1の伸び率だ。

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また、日本からワーキングホリデー先として選ばれることの多いオーストラリアの最低賃金は、今年の7月1日より時給24.10オーストラリア・ドル(約2500円)になった。これは日本の倍以上で単純計算で8時間フルに働くと、1日2万円。20日出社で40万円、年収は480万円にもなる。

このように給与水準はもはや、先進国とは言えない日本だが、国会議員の報酬だけはトップクラス。2022年時点での世界30カ国ランキングでは、アメリカやオーストラリア、ドイツを悠々と上回って世界3位であった。

こんな状態で賃金をわずか50円アップ、扶養控除ラインは据え置きとなれば、不満が出るのも当然。なぜここまで頑なに、控除額の引き上げを検討しないのだろうか。

取材・文・撮影/集英社オンライン編集部