2年目の闇「後輩とかできないでほしい」

毎年4月に話題になる、新入社員のスピード退職。以前は、「最低でも3年は続けるべき」とよく言われていたが、最近では「合わないと思ったらすぐに辞めるべき」という考えも支持され、新入社員のスピード退職をめぐっては賛否が飛び交っている。

一方その裏で、“2年目”に辞めたくなる人もまた増えていることをご存知だろうか。

「一生下っ端でいたい」「私の2年目の給料より新卒のほうが高いというバグ」「後輩とかマジいらない」2年目に仕事を辞めたい人が急増のワケ_1
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新入社員が辞めたくなる理由は、急な環境変化や、慣れない仕事など、想像に難くない。一方で2年目に辞めたくなる人は、少し特殊な考えを持っている。彼らは「下っ端がいい」「先輩になりたくない」との思いから、入社2年目に辞めたい衝動に駆られているのだ。

都内の映像制作会社で働く20代の男性は、「2年目以降、日増しに仕事が楽になるどころか、辛くなっている」と明かす。

「右も左もわからない入社したてのころは、覚えることがとにかくたくさんで、毎日大変な日々を過ごしていました。だけど、仕事を続けるにつれて徐々に楽になり、ある程度自分の裁量で仕事を進めることができるようになると、毎日の疲労感がグッと減りましたね。ただ、それは最初の1年だけでした。

入社2年目になって新人が入ってくると、自分がさっそく教育係を任されることになり、また苦労が増え始めたのです。後輩への指導は、自分が仕事を覚えるより難しく、日々の悩みの種となっています。特に、映像制作という仕事上、作品の良し悪しなどはどうしても感覚的に体感で覚えてもらわなきゃいけない部分が多いので、指導のしようがなくて困っています。

また、後輩がミスをすると指導係の自分の責任にもなるので、2年目に入ってから怒られる頻度が倍になった感覚です。人間関係においても、今までは先輩に頼り切り、社内で一番年下のため、常に“後輩ムーブ”で甘えていましたが、後輩ができるとそうも言ってられなくなって…。本当に2年目に入ってから会社に行くのが嫌になりました」

SNS上でもこの3月、4月から、〈責任負いたくないから一生下っ端でいたいな…後輩とか出来ないで欲しい〉〈一生平社員でいたいし後輩でいたい 責任は負いたくない〉〈社会人2年目で既にプレッシャー感じてキツイ。7月から下に後輩つくんだけどまだ全然何も教えられないよどうしよう〉などと嘆く、入社2年目のポストが多数確認できる。

また一方で、転職した人などは〈役職なくなって下っ端になったのでめちゃくちゃ楽になりましたw〉〈転職してひと月くらい経つけど下っ端って気持ちが楽〜!〉などと、責任感から解放された喜びの声をあげている。