超ホワイトな大学職員から離職する人とは…
どうやら、大学生と同じだけ休みがあるというのはさすがに誇張のようだ。しかし、社会人という立場でありながら、“夏休み”があるのはやはり魅力的。これだけでも、唯一無二のホワイトな職場と言えそうだ。
さらに年収は、30歳くらいで650万円、30代後半で900万円になることもあり、基本的には年功序列で上がっていくシステムだという。給与面だけ見ても、平均よりかなり高く、やはりホワイトとしか言えない大学職員。いったい、どんな人が働いているのだろうか。
「前職が金融機関など、数字が厳格な職場だった人も多く、そういった人たちは、『ノルマや目標がなくてこんなにも精神的にプレッシャーがない職場があるのか!』と感動していますね。月末だから数字どうしようとか、1Q終わったから明日は2Qのスタートダッシュ的な、ずっと走らされている感覚は確かに皆無です。
また、関わる層も『大学教員』という高学歴の環境でトレーニングを受けてきた人たちですから、接しやすいです。当初は大学教授は変な人が多いと思っていましたが、最近の若手教員などはコミュ力が高くて優秀で、素晴らしい人材の確率が高いのでやりやすいです。公務員から転職してきた同僚は、市民や議員の相手がないだけで天国と言っていました」
話だけを聞くと、本当に誇張抜きでパーフェクトなホワイト職と感じる大学職員。しかしそれでも、離職してしまう人はいる。その理由として挙げられるのが、“やりがい”だ。これを期待して職に就くと、離れてしまうケースがあるという。
「学生は元気ですし、一緒になにかイベントをやるとなったとき、それが成功するとやりがいになります。
ただ、大学における事務職員の決定権はそれほど広くないですし、基本的には前例踏襲主義の縦割り官僚組織なので、民間企業のビッグプロジェクト的なやりがいなどはないと思っておいたほうがいいと常々思っています。
また、やりがいからは外れますが、官僚組織にありがちな消極的権限争い(部門間での仕事の押し付け合い)も頻発しているので、学生と関わるような部門であればフレッシュさを感じてやりがいを感じると思いますが、関わらない部門では内向きな仕事がほぼ100%なので、やりがいは正直無いと思いますね。
なので、休みの多さや精神的プレッシャーのなさなどに価値を見出したほうが長続きします」
“やりがい”を仕事に求めるか求めないかで、大学職員という仕事への見方が大きく変わっていきそうだ。それでもワークライフバランスが求められる今のご時世では、大学職員になりたい人は今後、激増していくかもしれない……。
取材・文/集英社オンライン編集部