場のテンポに合わせる

それぞれの人に、生き方のスタイルがあるように、話し方にもスタイルがあります。

自分自身のスタイルは保ちながらも、必要に応じて速いテンポでも話せるようにしておく。お互いゆっくりと、深い話ができる相手がいれば、自分のスタイルで話す。こんなふうな切り替えができるとよいと思います。

長く友だちでいるには、スタイルが合う人を見つけることも大事です。

「この人とはしっくりくる」という人を見つけたら、その関係を大事にしましょう。

なお、速いテンポに合わせるのが苦手な方は、食事をしながら人間関係を深める、という方法もあります。

食事をしながらの会話は、食べる時間が必要ですから、ずっと話を続けなくてもかまいません。会話のテンポは少しゆっくりになります。

お酒が入ると、さらにテンポは変わります。特にお酒の場は、関係を親しいものに変える場でもあります。

会話で大事なのは「テンポ」…相手との距離を深められる人とそうでない人の決定的な差_3
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その場の会話のテンポをつかみ、それに合わせることで、苦手意識も取り去ることができます。


写真/shutterstock

「考えすぎて言葉が出ない」がなくなる(サンマーク出版)
齋藤孝
「考えすぎて言葉が出ない」がなくなる(サンマーク出版)
2024/6/26
1,650円(税込)
256ページ
ISBN: 978-4763141187

自然と人間関係が自由自在になる「話し方」の極意

「こんなことを言うと、どう受け取られるだろう」「これを質問したら、引かれるかな?」「こんな話をして、嫌われたかもしれない」「すぐに言葉が返せなかったけれど、ノリの悪い人だと思われているだろうな」「へんなことを言っちゃった気がする——。どうしよう」

人間関係は、考えすぎると疲れますね。すると会話も億劫になります。しかし、多くの「こんなこと言って嫌われたかも……」は、思い過ごしであることも多いです。さらにいえば、思い過ごしで会話が億劫にならないための「コツ」があるのです。

●齋藤孝先生の100%効果がある伝説の講義のエッセンスを書籍化!
本書では、40年にわたって続けられた齋藤孝先生のコミュニケーションの講義のエッセンスを紹介! 学校の先生やプロのアナウンサーになった方も受けられたその内容は、100%効果があるといわれています。上手に人間関係をつくれるようになりたい、コミュニケーションで悩まないようにしたい方のための、仕事や生活、婚活まで、様々なところで活用できる内容です。

【目次より】
第1章 
コミュニケーションの悩みは思い過ごし
ぐいぐいコミュニケーションしてくる人になりたいですか?
なぜ、他人と話すと疲れるの?
ビジネスでも「仕事以外」の話が必要な理由
「話が苦手」は性格の問題ではありません など

第2章 
初対面でも話が続く人、途切れる人
「休日は何をしているんですか?」と聞かれたら、どちらが話が続く?
会話で「知らない」は暴力です
忙しくても人間関係をつくれる「10秒雑談」 など

第3章 
また会いたいと思ってくれる人の「聞く技術」
人間関係をつくるのに「話し上手」である必要はあるか?
面白い話は「会話」ではなく「リアクション」で成り立つ
「すごいインタビュアー」を自分に降ろしてくると、質問がしやすくなる など

第4章 
相手と距離を縮める話し方
「中距離」の人間関係が人生を豊かにする
人間関係が続くかどうかは、勇気のある人がいたかどうか
「次の機会」をつくれる人の情報交換 など

第5章 
広い人間関係をつくる
知り合いは多いほうがいいですか?
最初に声をかけるときは「あいまい」がいい
せっかく会ったのに、人の顔と名前が覚えられない…… など

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